製品紹介 > 防水シートの常識

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防水シートはもともと、綿で織り込まれたキャンバスにタールを塗って作られた丈夫な防水シートをさしていました。軍事車両のホロカバーとしての使用が代表的な例です。現代では「防水シート」と呼ばれる大部分はキャンバスではなく、PEのようなプラスチックでできています。防水シートは下記のような様々な用途で使用されます。

1. 装備や車両などを雨、太陽光、ほこりから守る
2. キャンピング時、地面に敷いたり天井の防水カバーとして使用
3. 建築現場の足場用シート
4. 木材保護または、貨物車両のカバー
5. レジャーシートまたは落ち葉整理に
6. 屋根または、窓が破損した時の保護シート
7. 被災時、簡易テントで使用

PE防水シートとその他の防水シートの比較

防水シートは主に3種類あります。キャンバス防水シート、 PE防水シート、そしてPVC（ビニール）防水シートがあります。キャンバス防水シートやPVC防水シートと比べて、PE防水シートは値段がとてもリーズナブルです。湿気に弱いキャンバス防水シートとは違い、PE防水シートは防水性と防腐性に優れます。一般的にPE防水シートがよく使われていて、特に紫外線カット処理がなされた防水シートは屋外使用に適しています。しかしキャンバス防水シートやPVC防水シートと比べて、耐久性が落ちて長時間使用には限界があります。

PE防水シートの購入時

色やサイズとともに防水シートの等級（薄手、中厚手、厚手）表示をご確認ください。等級とともに次のような規格も表示される場合があります。

• 重量は平方メートルあたりのグラム数、または平方ヤードあたりのオンス数で表示します。
• 一般的に厚さはミリインチで表示しますが、ミリインチははインチの千分の一にあたる単位です
• デニールはPE糸の重さを表し、長さ9,000mの糸の重さをグラムで表す単位です。
• 打ち込み本数(mesh)は一平方インチあたり、 糸が横縦で何本あるかを表します。

厚さ、デニール、打ち込み本数が複合的にからまり重量を決定するので、重量規格が重要となります。重量が高ければ、高いほど耐久性が高いです。

注意: 一般的に防水シートは重量が高ければ、高いほど強度が強く、高品質を期待できますが、一部の製品の中にはリサイクル原料を使うなどして重量を装うものもあります。したがって信頼のできる会社で購入することをお勧めします。

紫外線カット処理の有無も確認してください。多くのPE防水シートは紫外線カット処理がなされます。紫外線カット処理がなされていない防水シートは数ヶ月太陽光にさらされると酸化します。また、建築現場や火を使う場所で使用する防水シートなら、難燃処理済みの防水シートを選んでください。もちろん難燃防水シートであっても、一定の時間以上火の中に置いておくと解けてしまいます。但し、火元を除去すると難燃防水シートが燃え続けることはありません。一方、難燃処理がなされてない防水シートは燃え続けることがあります。

PE防水シートの生産工程は？

まず、PE防水シートの原料であるPEの生産過程をご覧ください。石油の原油を精製する過程でナフサ(naphtha)という液体が出てきます。ナフサを分解(cracking)するとエチレン(ethylene)が生成されます。このエチレンを高圧加熱し、触媒を使用して重合させると小さいPEペレット(pellet)が生産されます。ここで高圧触媒工程を経ると低密度PE(LDPE)が生成され、低圧触媒工程を経ると高密度PE(HDPE)が生成されます。高密度PE(HDPE)は玩具やシャンプーの入れ物、ゴミ箱などに使用され、低密度PE(LDPE)はビニール袋や食品用ラップに使用されます。

これから、防水シートの生産工程をご覧ください。まず高密度PE(HDPE)ペレット(pellet)を押出機を通してフィルム化します。これをカットしてから伸ばしてPE糸(yarn)を生産します。

続いて、織物織機で糸を耐久性の強い織物にしていきます。この織物を低密度PE(LDPE)コーティングすることにより、光沢処理とともに保護膜を作ります。さらにこの過程でさまざまな色のマスターバッチ(masterbatch)を利用して望む色の製品を作ることができます。

最後に、製作された防水シートロールを裁断し、溶接処理、アイレット加工（上の写真参照）などの過程を経て、完成品になります。

防水シート生産工程をイラストでご覧ください